いつものように音楽室に向かう。 ギターを昼休みに弾くのが、 毎日の楽しみだ。 人と関わるのが苦手な僕は、 部活に入っていない。 放課後は、吹奏楽部の人達が 音楽室を使っている。 昼休み。 僕しかいない音楽室。 ギターの音だけが響く。 教室の雑音から離れた世界。 穏やかな時間だった。 そんなある日のことだった。 ピアノの音が聴こえる。 ギターを背負った僕は、扉の前で立ち止まった。