彼女は自分の体調が悪くても、助けてほしくても、絶対に人を頼らない。自分は人を助けるけど、甘えたりしない。自分に厳しい人だ。そんなところを尊敬していたりするけど、心配になる。

彼女のことを、幼い頃から目が離せなかった。胸の中で気持ちが大きく膨らんでいって、これが「恋」だと初めて知ったんだ。

彼女といた時、からかわれたことがあった。距離を取ることを選んだ時、とても苦しかった。その日の夜は泣いて眠れなかった。それほど彼女が好きだ。

歳を重ねるごとに、彼女に対する気持ちが恋だけではないと知った。これはきっと、「愛」ってやつなのかな。小説や音楽でしか知らないこの気持ちを、初めて知ったんだ。

楓、俺は君のことがずっと好きなんだ。


本を閉じ、楓は高鳴る胸を押さえながら翔太を見つめる。翔太の顔も赤くなっていた。

「えっと……好き……です……」

恥ずかしそうに翔太が言い、楓も伝えなければと動き出す。真っ白な紙にペンを走らせた。