始業式から一ヶ月くらいが経って、もう5月になっていた。


5月には待ちに待った自然体験活動という名の宿泊行事がある。


もちろん班は6人で、なんて思ったけど、学校の決まりで自然体験活動はくじ引きでランダムに決められた。



確か4グループくらいあったんだけど、私と松井は同じ班になれなかった。



松井はももかとこうきと同じ班だった。内心羨ましくて、どっちか代わってくれー!なんて思ったりもしたんだよね。




そんな楽しみにしていた自然体験活動だったが、事件はそこで起きたのだ。



出し物の練習の時に、体育館で学年合同でやっていたのだが、


通称「松井集団」の他のメンバーがよく松井に会いにうちのクラスの場所に遊びに来ていた。



そして、自然体験活動中も違うクラスのしほちゃんや他のメンバーが、松井に会いに来ていて、


それがももかは気に入らなかったらしい。





私はよく言えば能天気?なところもあって、あまり良く周りを見れていなかったから気づかなかったけど、



練習中からももかはよく松井集団のメンバーが来るたびに嫌な顔をしていたらしい、

と後からかりんから聞いた。




そしてとうとう、キャンプファイヤーの時にももかが泣いてしまったのだ。



「なんで今うちらのいつメンなのに、前のいつメンとばっかずっと仲良くしてるの?」


そう、みんながいる前でももかが泣きながら言った。



正直私には、ももかが泣いている理由があまり理解できなかった。



仲良くなってから一ヶ月足らずの私たちより、1年間仲良くしてきた松井集団の方が絆が深いのは当たり前のことだし、


なんでそんなに束縛するんだろ?って正直内心思っていた。





それは私だけじゃなくて、松井もかりんも、たくみも同じことを思っていたみたいで、



ももかと仲良いこうきの2人と、


それ以外のうちら4人、みたいな対立ができてしまった。



しかもこっちにはもちろん松井集団という強力な味方もついていた。



みんながいる前で泣いていたことにプラスして、もともと目立っていたグループだったので、分離した噂は瞬く間に一夜で広がっていった。




次の日になっても全く状況は良くなることなく、むしろ悪化して、




わざわざ松井集団がやってきて、ももかと同じ部活のしほちゃんが目の前でももかの悪口を言ったりもしていた。



それを見た私は、こんな人の悪口を本人に言うような子と松井はなんで付き合ってるんだろ、私ならしないのに。なんて嫉妬もしたりした。