「例のものは?」
「ここに……」
雰囲気に呑まれ、自然とレインの口調も硬くなる。いつのまにか胸に抱き込んでいた紙袋を差し出した。
紙袋を受け取ったカルミアは、今にも緩みそうな頬を引き締めて確認する。
「誰にも見られていないわね?」
「多分……」
そのためにレインは頭から黒いローブを被り、魔法を駆使してここまでやって来た。誰にも見られていない自信があったけれど、卑屈な性格のせいでつい曖昧な答えを返してしまったと反省する。けれどカルミアは歓迎してくれた。
「よく来てくれたわね!」
カルミアの笑顔を合図に張り詰めていた緊張が解ける。
ローブの下から現れたレインの服装は、彼女らしい落ち着いた組み合わせだ。カルミアも学食の制服ではなく、休日用のワンピースで出迎えている。
カルミアはレインを置き去りにする勢いで鏡の前へと向かった。
「これこれ、これが着たかったのよ! アレクシーネの制服!」
紙袋から現れたのはアレクシーネの学生たちが着る制服だ。持ち主はレインである。
「私のもので大丈夫そう?」
「身長もそんなに変わらないし、問題ないと思うのよね。早速着てみてもいいかしら!?」
「そのために持ってきたのに」
期待の眼差しを向けられたレインは困ったように笑う。仕方がないと呆れながらもどこか嬉しそうだ。
「ここに……」
雰囲気に呑まれ、自然とレインの口調も硬くなる。いつのまにか胸に抱き込んでいた紙袋を差し出した。
紙袋を受け取ったカルミアは、今にも緩みそうな頬を引き締めて確認する。
「誰にも見られていないわね?」
「多分……」
そのためにレインは頭から黒いローブを被り、魔法を駆使してここまでやって来た。誰にも見られていない自信があったけれど、卑屈な性格のせいでつい曖昧な答えを返してしまったと反省する。けれどカルミアは歓迎してくれた。
「よく来てくれたわね!」
カルミアの笑顔を合図に張り詰めていた緊張が解ける。
ローブの下から現れたレインの服装は、彼女らしい落ち着いた組み合わせだ。カルミアも学食の制服ではなく、休日用のワンピースで出迎えている。
カルミアはレインを置き去りにする勢いで鏡の前へと向かった。
「これこれ、これが着たかったのよ! アレクシーネの制服!」
紙袋から現れたのはアレクシーネの学生たちが着る制服だ。持ち主はレインである。
「私のもので大丈夫そう?」
「身長もそんなに変わらないし、問題ないと思うのよね。早速着てみてもいいかしら!?」
「そのために持ってきたのに」
期待の眼差しを向けられたレインは困ったように笑う。仕方がないと呆れながらもどこか嬉しそうだ。


