カルミアだけでなく、身体を張って学園を守った他の従業員たちも尊敬を集めていた。学食が再開した暁には、ぜひ行かせてもらうとあちこちから握手を求められているそうだ。

「今日は忙しくなりそうね」

 確かな予感がカルミアの胸を占めている。

「今日も頑張りましょうね。仕事が終わったら開店祝いと、ロシュのアレクシーネ入学をお祝いをしないと!」

 この春からはロシュも立派に学園の生徒となる。学食の手伝いは授業がない時だけと頻度は減ってしまうが、それでもここで働いていたいと言ってくれたのだ。

 カルミアを先頭に、一人、また一人と影は学食へ姿を消して行く。

 開店すると、記念すべき一人目の来店客はなんとレインだった。懐かしい味が恋しくなったと、本日のスープにあたる味噌汁を飲みに来たと言ってくれる。
 それから目まぐるしく学生たちが訪れた。新たな注文方法に戸惑う声もあったが、ロシュが上手くサポートをしてくれたため、大きな混乱もなく営業することが出来た。
 手を休める暇もなく料理に励んでいれば提供口にオズとオランヌの姿を見つける。嬉しさから、カルミアは笑顔で手を振っていた。
 そしていつものように、忙しさのピークを越え一段落がついた頃。カルミアの作る料理を求めてリシャールがやってくる。
 そこからは関係者を招いてのお祝いパーティーの始まりだ。