(何かしら。今とんでもない発言が聞こえた気がするんだけど、私が学園を支配するって何!?)
それまで黙ってレインの話を聞いていたカルミアは首を傾げる。しかしとても口を挟める雰囲気ではないとカルミアは空気を読んでいた。竜とは大違いではあるが、残念なことに褒めてくれるような人はいない。
「どうしてまだ学園にいるんですか? 出て行けと言われましたよね。それなのにどうして!」
(つまり、レインさんの目的は私を学園から追い出すことで、私を追い出すためにリシャールさんの心を変えようとした?)
おそらくメニューに手を加えたのもレインの警告だろう。
「レインさん。貴女がそんなに思いつめていたなんて、気付いてあげられなくてごめんなさい。私、貴女に何かしてしまったんですか?」
「止めて! わかったようなことを言わないで。私の気持ちなんてカルミアにはわからない! そうやって私を憐れんで、何が狙いなの? だいたい学食で働くって何!? 貴女悪役令嬢でしょう!」
「あ、うん……」
それは私も訊きたいと真剣に思うカルミアであった。
「リシャールはまるで別人。毎日学食に通うし、いつのまにかドローナまで学食で働いてた。リシャールは優しくて、ドローナは無邪気……何なの!? 三人で何を企んでいるの!?」
まるで抑え込んでいた不満が爆発したようだ。見てきたかのように語るレインは実際にどこかで見ていたのかもしれない。
しかしカルミアはきっぱりと否定する。
「違うわよ」
「とぼけないで! 攻略対象とも親しくしているところを何度も見ました。オズとオランヌとは人気のないところで密会してたじゃないですか。食べ物まで使って懐柔しようなんて最低です!」
(密会って……)
状況から察するに弁当を食べてもらった時のことだろう。オズが見かけたという人影はレインだったのかもしれない。
それまで黙ってレインの話を聞いていたカルミアは首を傾げる。しかしとても口を挟める雰囲気ではないとカルミアは空気を読んでいた。竜とは大違いではあるが、残念なことに褒めてくれるような人はいない。
「どうしてまだ学園にいるんですか? 出て行けと言われましたよね。それなのにどうして!」
(つまり、レインさんの目的は私を学園から追い出すことで、私を追い出すためにリシャールさんの心を変えようとした?)
おそらくメニューに手を加えたのもレインの警告だろう。
「レインさん。貴女がそんなに思いつめていたなんて、気付いてあげられなくてごめんなさい。私、貴女に何かしてしまったんですか?」
「止めて! わかったようなことを言わないで。私の気持ちなんてカルミアにはわからない! そうやって私を憐れんで、何が狙いなの? だいたい学食で働くって何!? 貴女悪役令嬢でしょう!」
「あ、うん……」
それは私も訊きたいと真剣に思うカルミアであった。
「リシャールはまるで別人。毎日学食に通うし、いつのまにかドローナまで学食で働いてた。リシャールは優しくて、ドローナは無邪気……何なの!? 三人で何を企んでいるの!?」
まるで抑え込んでいた不満が爆発したようだ。見てきたかのように語るレインは実際にどこかで見ていたのかもしれない。
しかしカルミアはきっぱりと否定する。
「違うわよ」
「とぼけないで! 攻略対象とも親しくしているところを何度も見ました。オズとオランヌとは人気のないところで密会してたじゃないですか。食べ物まで使って懐柔しようなんて最低です!」
(密会って……)
状況から察するに弁当を食べてもらった時のことだろう。オズが見かけたという人影はレインだったのかもしれない。


