冬と恒温

コト

「どうぞ」
「…ありがとう」

またしてももてなされた棗はマグカップから踊る湯気を見てから口を開いた。

「この間は本当に申し訳なかった。こんな一人暮らしの女の子の部屋に気付かず入るなんて…」
「大丈夫ですって。それに私が鍵かけずに寝たのが原因ですし」

お茶を啜りながらけろっと言った。

「でも、何かしらの誠意は見せたいんだ。金で許されることじゃないけど何か買うことしか思いつかなくて…」

180オーバーの男が首を垂れながらしょぼくれた。