【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「……く、黒澤くん」


そこには、今まで見たことのないレベルの不機嫌オーラも放つ黒澤くん。


あ……やばい。
私、黒澤くんとの昼休みすっぽかして油売ってたって思われちゃう……!


「あ、あの、黒澤くん。これは……っ」


「羽音に気安く触らないでもらえますか」


私の声を遮る黒澤くん。
その目はビックリするほど冷たい目だった。


黒澤くんってば上級生になんてこと……!


「キミは羽音ちゃんの彼氏?」


「はい、なので失礼します」


「ちょ……っ、黒澤く……」


「行くよ」


黒澤くんは私の手を強引にとって、歩き出す。


彼の表情は見えないけど、すごく不機嫌なのはなんとなく感じられる。


ひいぃ……絶対怒られる。
私はもう終わりだ。


屋上の1つ下の階、3階の自動販売機でペットボトルのお茶を買って、私に渡す。


「ほら、今日はそれ飲んで」


「あ……ありがとう」


そして再び階段を上って屋上の扉を開く。


――ガタン。


「ひゃ……っ」


扉が閉まった瞬間、背中を扉に押しつけられ、両手首を掴まれる。


ど、どういう状況……!?