【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




「はぁ〜〜……」


熱くなった頬っぺたを冷ますように、机に思いっきり伏せる。


この男の子苦手なの、どうにかしたい……。


「随分と大きなため息だね」


隣の席から黒澤くんが声をかけてくる。


いやいや、もとを辿ればアナタのせいですから!
アナタさえいなければ私は……。


なんて、言えるはずもなく。


「なにかあったの?」


「ううん、別に何もないよ」


「そっか。それなら良いんだけど」


全く良くないよ! と頭の中で言いかえす。


……というか、私黒澤くんとは全然普通に話せてるよね。


世の中で一番大キライなはずなのに。
大キライなのに一番普通に話せてるって……なに?


――キーンコーン。


チャイムが鳴って次の授業の準備をする。


あぁ……初花に謝る時間なかった。
4時間目が終われば、やっと昼休み。
昼休みに謝ろう。