これがキッカケで私は男の子と関わるのが怖くなってしまい、恋もできなくなった。
また、裏切られるような気がして……。
恋なんて、するだけ損だ。
傷つくのがオチだもん。
その次の日から黒澤くんは学校に来なくなった。
そのまた次の日も、その次の日も。
そして黒澤くんが学校に来なくなって一週間が経ったある日。
「えー、昨日付けで黒澤は隣町に転校した」
担任の先生の言葉に耳を疑った。
「え……」
黒澤くんは突然、私の目の前から姿を消したんだ。
――そんな黒澤くんが3年経った今、目の前にいる。
これは、神様が仕掛けたイタズラ?
もう、二度と会うことはないと思っていたのに……。
私に気がついてないのが唯一の救いだ。
これで気付かれたら私の高校生活は始まったばかりなのに、終わってしまう。



