「HR始めるから席につけー」
担任が教室に入ってきてHRを始める。
はぁ……憂鬱だ。
私、最近ツイてないな……。
自分が可哀想になってくるよ……。
「――はい、連絡事項は以上、解散!」
HRが終わり、また大きなため息をつきそうになるのを必死でガマンする。
「羽音、行こっか」
「……っあ、あの、黒澤くん」
「ん?」
「ちょ、ちょっと先生に呼ばれてて……私を待ってたら遅くなっちゃうかも、なの」
掃除当番を代わってって言われて承諾したってなったら「なんでハッキリ断らないの」って怒られそうだったからテキトーな理由をつける。
「だから、先帰ってていいよ! ご、ごめんね。その代わり、明日はちゃんと付き合うから……」
「そっか。じゃあ下で待ってる」
「えっ、で、でも待たせるの悪いし、ほんと先に帰ってて!」
「……わかった、ちゃんと今度は付き合ってよ」
私の押しに負けて少し不満げに言う黒澤くん。
「うん、じゃあまた明日……」
黒澤くんが教室を出るのを確認した私はホッと一息つく。
……解放された。
黒澤くんが帰るだけでこんなにも気がラクになるなんて……!
自由な時間がやってきた……! って、言ってもいまから掃除が待ってるんだけど。



