――キーンコーン。
眠気と戦いながらなんとか6時間目を終え、黒澤くんがトイレかなにかで席を立ったのを確認した私は机に伏せた。
「はぁ~……」
今日1番のため息。
やっと気が抜けた。
黒澤くんが隣にいると、全く気が抜けない……。
あー……このまま黒澤くんが帰ってこなきゃいいのに……なんて考えながら、また1つ、ため息をついた。
すると突然、机に伏せている私を影が覆う。
黒澤くんもう帰ってきた!? と、慌てて顔をあげると、そこには少し派手めなクラスメイトの女の子が2人。
黒澤くんじゃないことにホッとしながら「どうしたの?」と声をかける。
「千葉さん、申し訳ないんだけど……」
「今日の掃除当番、代わってくれない?」
「えっ」
そ、掃除当番……?
「私たち2人とも、どうしてもはずせない用事ができちゃって……」
「お願い! 千葉さんしか頼める人いないの!」
掃除当番かぁ……。
よりによって今日は黒澤くんに放課後付き合ってって言われてるし……。
「わ、私も今日は用事が……」
「ダメ? いいよね、千葉さん?」
2人は私に顔を近づけてくる。
その可愛らしい笑顔からは威圧が感じられた。
「あ……うん、わかった」
頼み事されたらなかなか断れない性格の私は、あっさり承諾してしまった。
「ありがと~! さすが千葉さん、頼りになる!」
「あぁ……いや……あはは」
私ってば、なに承諾しちゃってんだろ。
そもそも掃除当番って2人でするものなのに、1人で引き受けるなんて……。
はぁーあ、この性格どうにかならないのかな。
ムリなことはムリって言えるようになりたい。



