【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「だ、大丈夫……」


「だよね、よかった」


満足気に私の髪の毛をわしゃわしゃと撫でる。


「ちょ、ちょっと! 髪の毛乱れるし、それにみんなが……っ!」


教室にいる生徒たちの視線が痛い。
髪の毛を整えながら周りを見ないように下を向く。


「いいじゃん、別に」


どうしてそんなに平然としていられるのかが不思議。
私と付き合ってると思われて恥ずかしくないの?
どう考えても私と黒澤くんはつり合ってないのに。


……いや、つり合ってない方が都合がいいのかもしれない。


引き立て役にはピッタリだし。


「なに、その不貞腐れた顔」


「別に、これからも黒澤くんの引き立て役頑張ろうって思っただけ」


嫌味ったらしくそう言ってみる。


「え? 引き立て役?」


「なんでもない」


なんで少し悲しい、なんて思っちゃうんだろう。


いやいや、でも私は別に黒澤くんとお似合いなんて、嬉しくない。
はず、なのに……。


あーあ、どうせ引き立て役するなら、もっと優しいイケメンの引き立て役になりたかったなぁ。


なんて、開き直ってみても心はモヤモヤしたまんまだった。