――キーンコーン。
「きりーつ。礼」
「「ありがとうございました」」
「着席」
5時間目を終えた私は黒澤くんにバレないように静かにため息をつく。
あと1時間……あと、6時間目と下校時間に耐えたら黒澤くんから解放される。
家で9時からのドラマまで、ゴロゴロのんびり過ごせる。
そう自分に言い聞かせて、気合いを入れる。
「羽音」
「な、なに?」
家に帰ってからのことを考えて幸せに浸っていると、黒澤くんに声をかけられる。
「今日の放課後、ちょっと付き合ってくれる?」
「……えっ?」
ほ、うかご…………?
私のゴロゴロタイムは……?
幸せな妄想は一気に打ち砕かれた。
「あの……」
「まさか、なにか用事?」
「う……っ」
素直に言うこと聞いてないと……中学のときのこと、みんなにバラされちゃう。
それは絶対に避けたい!



