「どうかした?羽音」
黒澤くんの女の子たちに対する態度に驚きを隠せずにいると、笑顔で首を傾げてくる。
いやいやいや。
どうかした? じゃないし!
「黒澤くん、どうしてそんな女ギライになっちゃったの……?」
「別に、元々中学のときも好きでもなかったし」
「なんで私には普通に……」
私には昔も今も、普通に関わってくるの?
「え? 羽音って女だったっけ?」
黒澤くんの言葉に私はカチンときた。
「はぁ!?」
私は正真正銘、女です!!
女子力のカケラもないけどさ!?
「あはは、冗談だって」
怒る私を見て楽しそうに笑いながら、よしよし頭を撫でてくる。
「そんな怒らないの。せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
「……っ」
もう! 絶対にバカにしてる。
゛可愛い”なんて言葉に絶対に惑わされないんだから!
「羽音が……特別、だったからだよ」
「とく、べつ?」
――キーンコーン。
「はい、じゃあ号令かけてー」
チャイムと同時に歴史の先生が入ってきて会話は中断される。
もう……また重要なこと、聞けなかった。
その授業中、私は寝ることなく、ボーっとして過ごしたのだった。



