それからしばらく経ったころ。
「黒澤くん、今日は部活ないんだっけ。じゃあ一緒に……」
「悪い、部活仲間と遊ぶ約束してて……」
「あ、そっか……」
黒澤くんが私を避けるようになった。
部活がない日は毎回一緒に帰っていたのに、その回数もだんだんと減って、最終的には全く一緒に帰ることはなくなってしまった。
本当に何の前触れもなく、黒澤くんは私からどんどん離れていった。
他愛ない話をしていた休み時間も、一緒にお弁当を食べていた昼休みも、一緒に過ごすことはなくなった。
黒澤くんの周りには可愛い派手めな女の子たちが集まるようになった。
そもそも、ああいう可愛い子たちが黒澤くんと一緒にいると絵になることなんて、最初からわかってたはずなのに……。
でも、すごくツラくて、悲しくて、黒澤くんの隣にいたのは私なのにって思ってしまう。



