「ごちそうさまでした」
お弁当を食べ終わり、片付けると立ち上がりフェンスに指をかけた。
屋上に吹く風は気持ちいいなあ……。
大きく息を吸って風を感じる。
「羽音」
私を呼ぶ、彼の声に振り返る。
すると、彼は小さな袋を差し出していた。
「え?」
「これ、あげる」
「なに、これ」
「開けてみて」
黒澤くんの言う通り、その小さな袋を開けて中身を取り出す。
「こ、これ……っ!」
袋の中身は昨日私が雑貨屋さんで可愛いと言っていたネックレスだった。
「どうして……」
「欲しそうにしてたから」
いらなかった?と、ニコッと笑う。
「ううん……! え、本当にいいの?」
「当たり前」
昨日帰ってからやっぱり買えばよかったかなって思ってたから嬉しいなんて思ってしまう。
……大キライな黒澤くんからのプレゼントでも。
「ていうか、いつの間に買ったの?」
昨日駅前にいるときはずっと一緒だったし、買いに行く暇なんてなかったよね?
「羽音とわかれてから買いに行った」
「え……わざわざ?」
そこまでして買ってくれたなんて……。
「あ、ありがとう……!」
ニヤニヤを隠しきれない表情でお礼を言うと、少し頬を赤らめて私から視線をそらす。



