「とにかく、今日はお互い昼休み楽しもうね! じゃ、また後でね~」
「う、うん!」
はあ……いいなぁ、初花。
私もああいう高校生活になるはずだったんだけどなぁ……。
ガクッと肩を落としながら重い足取りでお弁当を持って屋上に向かう。
――ギギーッ。
少し錆びた屋上の扉を開いた瞬間、暖かい春風が頬を撫でる。
「気持ちいい……」
「ほんとだな」
「ひゃっ!? び、ビックリしたぁ……」
ひとりごとに返事が返ってきたことに驚いて後ろを振り返ると、黒澤くんがいた。
「そんなに驚く?」
「まさか黒澤くんがすぐ後ろにいるなんて思わなかったんだもん……」
はあ、全く心臓に悪いよ。
「ん」
「……え?」
黒澤くんは私にメロンパンと焼きそばパンとクリームパンを差し出した。
「どれがいい? 選ばせてあげる」
「え、いや、そんな……」
「ほら、遠慮はナシ」
「じゃ、じゃあ……」
と、私はメロンパンを受け取った。
「あの、お金は……」
「いらない。その代わり、お弁当のおかずわけて?」
物々交換ね、と笑う黒澤くん。



