【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




――そして昼休み。


「はぁ~……お腹空いた」


空腹のあまり、机にへばりつく。


「俺、購買でパン買ってから屋上行くから」


「う、うん……わかった」


じゃあまたあとで、とカバンから財布を取り出すと、黒澤くんは教室を出ていった。


「羽音ー!」


「初花……あの、今日ね……」


「それなら心配ないよ!」


初花に今日は黒澤くんとお弁当を食べるということを伝えようとしたら元気よく遮られた。


「え?」


「じ・つ・は!私、今結構いい感じの人がいるんだぁ~」


「え……っ、彼氏できたの!?」


そんなの聞いてないよ!?


「違う違う! 付き合ってはないんだけど、最近向こうから連絡先聞かれてずっと連絡とってるんだ!」


「えぇ! どんな人?」


「えへへ、隣のクラスのサッカー部の人なんだけどね……今日その人と一緒にお昼食べようって約束したんだ」


ルンルンで話す初花は目がキラキラしていてとても可愛い。
初花の恋なら応援してあげたい!


「へぇ~! いいなぁ」


「なに言ってんの! 羽音には超イケメンの黒澤がいるじゃん?」


「あ、あぁ……まあ、うん」


実は、初花にはまだなにも話せていない。
黒澤くんとの過去と、仕返しをしようと思った……っていうところまでだったらまだよかったんだけど……。
仕返ししようと思ってたら実は私の方がまた騙されてただなんて、恥ずかしくて言えなくなっちゃったんだ。