みんなの視線になんとか耐え抜き、教室にたどり着いて席につく。
「はあ……」
やっと解放された……。
息苦しかったよ……と、ため息を1つつく。
「黒澤くーん! おはよ~!」
「おはよ、黒澤くん!」
「今日、クラスの数人でカラオケでも行こうって話してるんだけど、黒澤くんもよかったらどう?
「いやいや、合コンにきてよー! お願い~!」
ものすごい勢いで女の子たちは黒澤くんの席に集まり、黒澤くんの姿が見えなくなるほどだ。
すごい人気だなぁ……。
でもみんな、あんまりその人オススメできないよ……。
って教えてあげたい。
「あー……悪いけど、俺そういうのニガテ」
聞こえてきたのは、黒澤くんの少し不機嫌そうな声。
私と話すときとはまるでキャラが違う。
私と一緒にいるときはいつもニコニコ優しいんだけど……。
「それに俺、彼女以外に興味ない」
「……っ」
黒澤くんの言葉に思わず胸がドキドキし始める。
いやいやいや。
この言葉はあくまでも、女の子たちの誘いを断るための口実だよね?
あぁ、そうか。
黒澤くんはこういう誘いを断れるように私を彼女にしたのか。
私だったらもう、黒澤くんを好きになる心配ないもんね。



