【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「お金はいい。俺の奢り」


「え、で、でも」


「200円ぐらい遠慮すんな」


そう言ってふわっと笑うと私の頭をポンと撫でる。


その瞬間、私の胸がドキドキし始める。


「あ、えっと、じゃあお言葉に甘えて……! ありがとう!」


動揺で上手く言葉が出ない。


もう、黒澤くんがいきなり頭を撫でるからビックリしちゃった……。


「お待たせしました」


店員さんからキレイに巻かれたソフトクリームを受け取る。


「ありがとうございました~」


黒澤くんの目を見れないままお店を出ると、近くにあったベンチに腰をかける。



落ち着け私。
動揺なんかしちゃダメだ。
黒澤くんの前では常に余裕でいなきゃ……!



「いただきます」



心を落ち着かせて、ソフトクリームをペロッと舐める。