「完全に一目ぼれ、だったんだ」
「え……」
一目ぼれ……?
だからこの間あんなこと聞いてきたの……?
「一目見たときから、釘付けになった」
「黒澤くん……」
真剣な表情に思わずドキッとしてしまう。
……って、ダメダメ!
ドキドキしてどうするの、私のバカ!
まさかこんなに早く好きになってもらえるとは思ってなかった。
でも、私からすれば好都合だ。
仕返しの第一段階クリア。
「返事、聞かせてほしい」
そんなの、答えは決まってる。
「わ、私を黒澤くんの彼女にしてください」
「マジで!? ほんとに、いいの?」
「うん、私も黒澤くんが好きっ」
ウソだってバレないように、嬉しそうに笑ってみせた。
「……よかった」
そうつぶやいた黒澤くんが不敵な笑みを浮かべたように見えたのは……気のせい、だよね?



