【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「ほんと……?」


「そんなの、ウソつくわけないでしょ」


俺の言葉を聞いた瞬間、表情がぱああっと明るくなる。


「よかった」


くそ……ほんと可愛いな。
どれだけ俺を夢中にさせたら気が済むワケ……?


「ねぇ……黒澤くんっ……」


「どうした?」


「あの……隣に行っても、いい?」


「……は!?」


「黒澤くんとくっつきたい……っ」


まさかのおねだりに俺は固まる。


くっつきたい……?
隣に行くってことは……ベッドの上にくるってこと?


いやいやいや。


「絶対、ダメ」


そんなの、俺がガマンできるはずない。
今日はなるべく羽音にはくっつかないって決意したところなのに。


「え……私のこと……キライになったっ……?」


涙目になる羽音にアタフタする。


違う、違う……違うんだよ。
キライなんてそんなはずがない。