「……ねぇ、黒澤くん」
「ん? どうかした?」
羽音が何か言いたげに俯く。
「腕……組んでみたい……」
何それ、可愛すぎる。
手じゃなくて腕……はあ、可愛い。
「いいよ」
なんて、余裕ぶって答えるけど本当は余裕なんて全くない。
今日はおうちデートだけど、理性を保つためにもあんまりくっつかないようにしよう。
羽音のことは絶対に傷つけたくないから。
「えへへ、やったあ……」
羽音が嬉しそうに俺の腕に自分の腕を絡ませる。
……あぁ、ダメだ。
俺の腕に何か柔らかいものが……当たってる。
何かとか言いながら……わかってるんだけど。
俺の全神経はそこに集中する。
だって俺だって……健全な男子高校生だし?
「ちょ……やっぱり、手繋ご?」
このままじゃいけないと、羽音に提案する。
「手繋ぐのも好きだけど……この方がくっつけるもん」
いや、そうなんだけど……。
そうなんだけどそうなんだけど。



