【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




俺は羽音に電話をかける。


――プルルルル。


『もしもし、おはよう……』


寝ていたのか、少し眠たそうな声。


朝から可愛い……じゃなくて。


「おはよう。ごめんね、起こしちゃった?」


『大丈夫だよ』


「あのさ……今日午後から大雨みたいなんだけど……」


『えぇ!? ウソ!』


「どうしよっか?」


うーん……遊園地はさすがに行けない。
けど、せっかくここまで楽しみにしてたんだから羽音には会いたいよな……。


頭の中でグルグルと考えながら、リビングに入る。


すると、机の上に一枚のメモ。
母親からだ。


『昴へ。今日、急遽仕事が入ったから行ってくるね。帰るのもしかしたら明日になるかも。ごはん代置いておくから適当に買って食べて。母より』


……ということは、父親は仕事は土日関係なく夜遅くまであるから……家には俺しかいない。