「そんな可愛いコトばっかり言って、俺をどーしたいの?」
「独占……したいっ……」
思っていたよりも私……独占欲強いかもしれない。
だって黒澤くんの瞳に女の子が映るだけでも、嫉妬しちゃいそうだもん……。
「心配しなくても、俺の心の中はいつも羽音で独占されてるよ」
「ほんと……?」
「うん、本当だよ」
「私も……頭の中いつも黒澤くんばっかりだよ……離れてたこの数日間もずっと……」
黒澤くんのこと考えてない日なんて、一度もなかった。
ずっとずっと、頭の中は黒澤くんでいっぱいで……。
「ほんと、可愛いね。羽音は……」
「そう、かな……」
あまり自分には自信がなかったけど、黒澤くんに可愛いって言われると嬉しくて仕方ない。
もっと可愛いって言ってもらえるように、もっと可愛くなりたいって思える。
「あー、そろそろマジで限界……。この続きはまた今度。だから今日は離して?」
「うん……わかった」
体を離した瞬間、少し寂しい。
けど、これからはこうやって気にせずくっつけると思うと幸せだ。
――キーンコーン。
「あ、予鈴。そろそろ教室戻ろっか」
「うん……」
自然と黒澤くんの手に手を重ねて教室へと戻った。



