【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「羽音……」


「ごめんなさ……っ」


「謝るのは俺の方だよ。悲しい思いさせてごめんね、羽音……羽音の体にまで負担かけるなんて。もう絶対しないから……」


大きな手でぎゅっと私を抱きしめ返した。


その温かさにまた、涙がたくさんこぼれる。


「羽音……こんな俺と、付き合ってくれる? 今度は本当の彼女として……」


頭を撫でて、私を優しい目で見る。


そんなの……決まってる。


「うん……っ」


笑顔で大きく頷いた。


また私を包み込んで、さっきよりも強い力で抱きしめる。


あぁ……幸せ。
これが幸せなんだ。


「私……黒澤くんの隣にいてもいいのかな……?」


「……そんなの当たり前、俺のお姫様は羽音だけ」


やっぱり……黒澤くんは、私の運命の王子様だった。


そう、確信した。


「黒澤くんっ……好き」


「不意打ちでそういうのやめてってば……」


抱きしめ返して、溢れる想いを口にすると彼は余裕がなさそうにそう言った。


「ん……っ」


再び、甘いキスを落とした。


何度も、何度も。