悪いことってほんと続くんだな……。


「羽音ちゃん、大丈夫?」


声をかけて手を差し出してきたのは、神楽先輩だった。


「あっ……か、神楽先輩。だ、大丈夫です!」


サッと立ち上がり、大丈夫なことをアピールする。


実は先輩と話すのは、あの出来事以来だから……何だか少し気まずい。


「ほんと? 血が出て……」


「大丈夫です!! 心配してくださってありがとうございます! っあ……じゃあ私急いでるので!」


気まずさに耐えきれず、痛い傷をガマンしながら早歩きで立ち去る。


はあ……せっかく心配してくれたのに、あんな態度とっちゃうなんて私って自分勝手だな……。


ていうか、あんなことしておいて普通に接してくる先輩も先輩だけど……。


それにしても膝痛いよ……さっさと学校に行って保健室で絆創膏貰おう。


ペースを乱すことなく、私は学校へ向かった。