「穂乃、一体ここで何して……」
「今日はね、短縮授業で早く学校終わったから迎えにきちゃった!」
えへへ、と嬉しそうに腕を絡ませてくる。
「わざわざ電車乗ってきたの?」
「うん!」
穂乃の高校は家から電車に乗らずに徒歩10分ほどだから、わざわざ電車でうちの高校まで来たってことか。
「一緒に帰ろ!」
「えぇ……俺、今それどころじゃな……」
「まあまあ、そう言わずに! ねっ?」
「……ったく」
穂乃は昔から甘えん坊で、子どもっぽい。
そんな穂乃に俺は弱い。
「とりあえず、腕絡ませるのやめてくれる?」
「えぇー! いいじゃん別に!」
ぶーぶー文句を言う穂乃の腕を無理矢理解こうとするが、意外と力が強くて離れない。



