【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




「どう? 痛いの治った?」


心配そうに私の顔を覗き込む、純粋な目をした男の子に私はまた涙がこぼれそうになる。


「……うん、ありがとう。本当にありがとう」


涙声になりながら男の子にお礼を伝えた。


「えへへ、よかった。お返しができて」


「おーい! おまたせー!」


すると、男の子の友達であろう子どもたちが数人公園に入ってきた。


「あ、じゃあぼくもう行くね。またね! おねえちゃん」


「うん、またね。ありがとう」


男の子はニコッと微笑むと、友達のところへと走っていった。


……少しだけ、気持ちが軽くなった気がする。
男の子が痛いの飛ばしてくれたからかな?


「そろそろ帰ろ……」


カバンを持って立ち上がり、公園を後にした。