【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「ウソ……やだ……っ」


やっぱり私は黒澤くんに遊ばれてたんだ。
今ので確信した。


初花に言われて、少し……ほんの少しだけ、もしかしたら浪平さんにウソつかれてるのかな、なんて思ったけど。


どうやら事実だったみたい。


今日だって一緒に帰ってるし、日曜日もきっとデートするんだろうな。


あぁ……本当だったら今黒澤くんの横には私がいたのかな?


だめ……っ、今メンタルが弱ってるからまた涙が出てきちゃう……。


一体、何回泣けば済むんだろう。


泣いても今は変えられないのに。


そう、思ってもまた私の目からはポタポタと涙がこぼれた。


「……おねえ、ちゃん?」


そんな声がして顔をあげると、この間怪我をしてたから助けてあげた男の子がいた。