ぼーっと思い出にひたっていると。
「ねぇ、どーなの? 答えてよ!」
公園の外からねぇねぇ、という女の子の声。
何だか聞き覚えがあるなと、公園の外を見るとそこには浪平さんと……黒澤くん。
うそ、か、隠れなきゃ!!
私は慌てて植木の後ろに隠れる。
これで公園の外からは見えないはず……!!
「ねぇ昴、私の話聞いて……」
「好きだよ」
……えっ?
今、好きだよって………。
「どうしようもないぐらい……好きなんだよ」
2人は歩きながら話してるから、声がだんだんと遠くなっていく。
うっすらと聞こえた黒澤くんの言葉に耳を疑った。
ウソ、浪平さんに好きって言った……?
信じられなくて、頭が真っ白になる。
それ以上は何を話してるかは聞こえなかった。
私は2人がいなくなったのを確認すると、またベンチに座り込んだ。



