「羽音と帰るのめちゃくちゃ久しぶりじゃない?」
「ほんとだね」
黒澤くんと付き合うようになってからは毎日黒澤くんと一緒だったもんな……。
下駄箱で靴を履き替えるときに、ふと隣の下駄箱の棚が目に入る。
私の隣は黒澤くんだ。
あれ、黒澤くん靴がある……ってことはやっぱり学校には来てたのかな?
一体どこにいたんだろう。
不思議に思いながら校舎を出る。
「せんせー、さようならー!」
「おう、気をつけてな」
校門の前に立つ先生に元気よく挨拶する初花。
私はふとその先生越しにいたある人が目に入る。
「……なみ、ひらさん?」
浪平さんが校門の前にいた。
私は思わず足を止める。
「羽音?」
「あ! こっちこっち!」
すると、浪平さんが誰かに手を振る。
その目線の先にいたのは――