【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「はい、じゃあHR始めるぞー」


担任が教室に入ってきてHRが始まる。


「えーっと……今日の休みは黒澤、だけか」


チラッと横目で黒澤くんの席を見る。


私の隣にいるのがイヤになっちゃったのかな。
というか元々嬉しくも何ともないか。


「えー、そろそろ席替えをしようと思う」


担任の声でみんなは嬉しそうに声をあげる。


席替え……ってことは、もう黒澤くんと隣同士のこの席は終わりってことか。


少し、だけ……寂しいけど、仕方ない。


黒澤くんのことを考える時間が減って丁度いいかもしれない。


黒板に座席の図を書き、テキトーに番号をふっていく担任は教卓に箱を置いた。


「はい、じゃあ前にくじ引き取りにきてー」


みんな、楽しそうにくじ引きをひくために並ぶ。


「……羽音、行こ」


「う、うん」


初花に声をかけられて一緒に並ぶ。