【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



「ご……ごめんなさい……っ」


急に涙がこみ上げてきて、私は公園を飛び出した。


走ってしばらくして振り返るけど、黒澤くんは追いかけてこない。


そりゃ……そうだよね。


家に帰り、階段を駆け上がって部屋に入って扉を閉める。
扉を背に、私はしゃがみこんだ。


その瞬間、ガマンしていた私の中の何かがプチンと切れた。


「……う……っうぅ……」


大粒の涙が私の服の袖を濡らす。


ポタポタとこぼれ落ちる涙は止まることを知らない。


拭っても拭っても、なかなか止まってくれない。


ふとそのとき、疑問が生じた。


何で……どうして私は今、泣いてるの?


黒澤くんのこと、好きでもなんでもないから……黒澤くんが私を騙しているって早めにわかってよかったって……安心するところなのに。