【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



切り出さなきゃ……切り出せ私。


「っあ、あの……ね」


「うん? どーしたの?」


手のひらをグッと握って覚悟を決める。


「黒澤くん……別れたい、の」


い、言えた………。
手汗が尋常じゃない……。


私の言葉を聞いた黒澤くんは大きく目を見開く。


「……え?」


「もう……別れたいっ……の」


声が震えないように必死に我慢する。


「え……羽音、急にどうしたの?」


「私……もう、黒澤くんのこと……き、キライになったから……」


「それ、本気で言ってる?」


コクンと頷くと、私の両肩を掴んだ。


「俺の、どこがキライになった? 羽音がイヤだって思うところ……全部全部直すからだから……もう少しだけ……っ」


「っもう、イヤなの! 黒澤くんの隣にいるのがツラいの……っ」


大きな声で言うと、黒澤くんは、そっか……と力なくその場にしゃがみこんだ。


黒澤くんの隣にいるのがツラい。
私なんてこんなカッコいい黒澤くんには釣り合わない。
それに騙されてることわかってるのに一緒にいられるほど、私の精神は強くない。