【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。



――放課後。


『――まもなく○○駅、○○駅です』


私の家の最寄り駅に着き、電車の扉が開く。


「あーあ、もう駅に着いちゃったね」


「うん、そうだね」


改札を抜けて家へ向かう。


「羽音、今からケーキでも食べに行こうよ」


「えっ?」


突然の誘いに驚く。


「まだもう少し一緒にいたい」


「えっとー……」


どうしよう。
このあと浪平さんと約束が……でも、浪平さんにはナイショって言われてるし。


あー……理由考えておくんだった……はぁ。


一生懸命頭を回転させて断る理由を考える。


「きょ、今日どーーしても観たいテレビがあるから……また今度でもいい?」


「……そっかあ。わかった、また今度ね」


「うん、わかった」


ふぅ、良かったあ。
しょーもない理由だけどわかってくれて。


ホッと胸を撫で下ろす。


「じゃ、また明日ね。羽音」


「うん、また明日」


家の前に着き、手を振る。
だんだんと小さくなっていく黒澤くんに手を振り、見えなくなったところで家の中に入った。