【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




「ジョーダンだよ。ごめんね、困らせて」


「え……?」


ジョーダンって……ウソだったの!?


「う、ウソつかないでよ!」


せっかく人が心配してあげたのに……!


「ウソっていうか、羽音が天然なだけでしょ」


「天然じゃないもん!」


なんで私が天然ってことになるの?


「そーゆーとこも、ほんと可愛い」


「……っ」


「あ、赤くなった。かーわいっ」


ほんと、ズルい。
黒澤くんはズルすぎる。


「あ、赤くなんかな……っ」


「えー? そう? 俺には真っ赤に見えるよ?」


私の顎をクイっと持ち上げる。


その瞬間、息をするのも苦しいくらいに心臓がバクバクしはじめる。


「ば、バカ……」


私の顔に添えられていた黒澤くんの手を振り払う。


いつも黒澤くんは余裕で、私ばっかり振り回されて……ズルい。


「そ、俺は羽音バカだよ。今更気づいた?」


ニコニコしながら私の顔を覗き込む。


羽音バカって……何それ。