言葉にされると、何だか胸をグサグサとナイフで刺されているみたいだ。
やっぱり……黒澤くんの隣には浪平さんみたいな可愛い女の子がいた方がお似合いだよね。
痛いほどわかってる。
私が多少イメチェンしたぐらいで、黒澤くんには到底近づけない。
「なあ、あれって1年の千葉羽音ちゃんじゃね?」
「ちょっとお前、話しかけてこいよ!」
「えー! 無理だって!」
3年生のフロアを通過するときにそんな声が聞こえたかと思うと、
「あのさ」
と、話したこともないおそらく3年生の男の先輩に肩をポンポン叩かれた。
男の子が苦手な私は思わずビクッと反応してしまう。



