【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




私になにか言いたいことがあるのかな?
もしあるとすれば……黒澤くんのこと?


うーん……連絡先ぐらいなら大丈夫かな?


とりあえず私はマイに《高校生活もそろそろ慣れてきたよ!浪平さんの件、OKです》と返信した。


――ブーブー。


返信ボタンを押してすぐに返信がきた。


《りょーかい!じゃあ穂乃ちゃんに教えておくね》


マイのメッセージを読むと、私はそのままケータイの画面を閉じた。


一体、浪平さんは何を考えてるのかな?


なんだか少し怖くなる。


「羽音、屋上行こう」


頭の中でぐるぐる考えていると、お弁当を持った黒澤くんが声をかけてきた。


「あ、う、うん!」


「……どうかした?」


「ううん! 何にもない!」


このことは……別に、黒澤くんに言わなくてもいっか。
大したことじゃないしね。


カバンからお弁当を出して、黒澤くんと一緒にいつものように屋上へと向かった。