「私は野いちご中学校だよ。初花は?」
「私はね、少し遠いんだけど木の葉中学校ってとこ。知ってる?」
「うーん、聞いたことないなぁ」
「だよね。うちの中学からうちの高校行ってる人、私以外に1人しかいないんだよね」
「へぇ、そうなんだ」
まぁ私の中学から行ってる人も5人程度だけど……。
「同じクラスの、黒澤昴ってヤツね」
「……えっ!?」
初花の口から出た名前に、私は耳を疑った。
「どうしたの? そんな驚いちゃって。もしかして、知り合いとか?」
「う、ううん! 全然! 席が隣で、今日少し話したから……」
危ない危ない。
黒澤くんと知り合いってことはあまり言わないほうがいいよね。
本人の耳に入って気付かれたりしたら作戦が台無しになっちゃうし。