――次の日の朝。
いつものように黒澤くんと肩を並べて、最寄り駅まで歩いていると。
「すーばーるー!! おはよー!」
「わあ!! ……っほ、穂乃」
いきなり背後から黒澤くんに勢いよく抱きついたのは浪平さんだった。
「もー、可愛い幼なじみと朝から会えたんだからもっと嬉しそうな顔してよ!」
上目遣いで頬を膨らませる浪平さん。
「朝から頭痛い……穂乃見たせいかな」
「ひどーい! あ、おはよ! 千葉さん!」
「おはよう」
可愛い浪平さんに精一杯の笑顔を返す。
「ねぇ、千葉さん。昴ってばヒドイと思わない?」
「そ、そうだね」
あぁ、キラキラしてて可愛いなぁ。
私もこんな見た目だったらもっと自信持てるのに。
「それにしても穂乃、朝早いな」
「今日からしばらく朝から補習があるの! だから早めに登校しないといけないの」
「そっか。補習頑張れよ」
「うん! ありがと、昴」
すごく仲良いんだなあ。
側から見たら、私よりも浪平さんのほうが彼女みたい。