「ていうか、羽音にはそんな幼なじみ必要ないでしょ。俺がいるんだから」


異性の幼なじみ、羽音にいなくてよかった。
俺より羽音のことを知り尽くした男がいたら、嫉妬で頭がおかしくなりそうだ。


羽音のことは俺が一番知っていたい。


なんでも羽音の一番は俺でいたいんだ。


俺の言葉に顔を赤らめて俯く羽音は天下一品の可愛さだ。
いちいち俺の言葉に顔を赤くする羽音が愛しくてたまらない。


「……わ、私よりも浪平さんのほうが可愛いのに」


「そうかな? 昔から見慣れてるからわかんない」


羽音と穂乃はタイプが全く違う。
クラスの中だと、大人しいタイプの羽音と、派手なタイプの穂乃。


穂乃は確かによくモテてたけど……あんまり男には興味がないようだった。
そういうところは俺と少し似てるかもしれない。


「俺の中で一番可愛いのは羽音だからね」


「〜〜っも、もう! そろそろ帰ろ!」


耐えきれなくなったのか、勢いよく立ち上がる羽音。


「そうだね、帰ろっか」


リンゴのように赤くなった羽音が可愛くて、思わず笑顔がこぼれる。


そして俺たちは思い出の公園を後にした。