すごい、モデルさんみたい……。
なんて、見惚れていると。
「この教室から出てきたってことは……1年2組?」
「あぁ、うんっ」
「私もなんだ! 松下初花(まつしたいちか)っていうの。よろしくね」
「松下、初花ちゃん……」
名前も見た目通り可愛いな。
パッチリ二重でまつ毛長いし、お人形さんみたい。
「初花って呼んで。アナタの名前は?」
「千葉、羽音」
「可愛い名前! 羽音って呼んでもいい?」
「うん、もちろんっ」
笑顔で私の手を握ってきた初花はすごく可愛くて、女だけど惚れてしまいそうだ。
「羽音、電車通学?」
「そうだよ」
「じゃあ駅まで一緒に帰ろ!」
「うんっ!」
私にも……ちゃんと友達が出来た。
うちの高校は同じ中学から行く子が少なくて、心配だったんだけど……。
これから初花と仲良くなれたらいいな。
「羽音ってどこの中学?」
一緒に駅に向かいながら、他愛のない話をする。
あぁ、青春してるって感じだ。
これぞ私の憧れていた高校生活の一部だ。



