「あっ!」
突然、羽音が声を上げて立ち上がり、走り出す。
羽音が向かった先は、子どもたちのところだった。
一人の小学生ぐらいの男の子が声をあげて泣いている。
「うぇーん!! 痛いよぉ〜……っ」
「ぼく、大丈夫!?」
どうやら、男の子は友達と走り回ってたらコケてしまったようだ。
男の子の膝には擦り傷があって、血が出ていた。
羽音は男の子を水道のところまでおんぶで連れて行くと、傷口を洗った。
「痛い!! えーーんっ!!」
「痛いよね、もう少し我慢してね」
そして、羽音は自分のカバンから絆創膏を取り出し、男の子の膝に貼った。
「よし、これで大丈夫! 我慢して偉かったね」
よしよしと羽音が頭を撫でると、男の子は泣き止んで笑顔になる。
「おねえちゃん、ありがとう! えへへ」
そしてお礼を言うと、友達のところへ戻っていった。
「子どもって可愛いね」
「そうだね」
子どもたちを見て微笑む羽音。
俺はふと、羽音が将来、自分の子どもと遊ぶ姿を想像する。
もし、羽音と結婚して子どもが出来たりしたら、幸せだろうな……。
それ以上の幸せは俺にはない。
……って、まだ好きにもなってもらえてないのにこんなこと想像してるなんて、俺って気持ち悪いな。



