【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




俺は羽音と行きたいところがあった。


「黒澤くん、どこいくの?」


「着いてのお楽しみ」


電車に乗って、羽音の最寄り駅で降りる。


「このあたり、何かあったっけ……」


うーんと頭を悩ませる羽音。


羽音との思い出の場所。
羽音は覚えてくれてるかな。


そして着いたのは――


「ここ……久しぶりに来た」


2人で学校帰りにたまに来ていた公園だった。


「俺も、転校前以来にきたよ」


「懐かしいなぁ……」


公園では子どもたちがたくさん遊んでいる。
羽音と公園のベンチでよく話してたんだ。


日が暮れるまで、ずっと……。


いつの日かと同じようにベンチに腰をかける。


「もう一回、羽音とここに来たかったんだ」


「そうなんだ。本当に懐かしい……あの頃は飽きずにずっと話してたよね」


一体、なにを話していたとかは具体的には覚えてない。
けど、その日学校であったこととか、友達や先生のこととか、そんな……他愛ない話をしていたんだと思う。