「彼氏彼女なんだから、デートぐらいしてもおかしくないでしょ?」
「それはそうだけど……」
「あーそうか……大キライな俺とはしたくないかぁ〜」
なんて、否定してほしくてわざと言ってみる。
けど、本当はそれ以上に怖くて仕方ない。
大キライなんて言われたら傷つくなんてもんじゃ済まない。
羽音に大キライって言われた時は、表には出さないようにしてたけど泣きたいぐらい悲しかった。
でも、悲しいっていう気持ちと同時に『俺のことを好きにさせたい』っていう気持ちが湧いてきた。
だから今は大キライって言われても、もっと頑張らなきゃって思うようにしてる。
もっともっと、羽音にふさわしい男にならなきゃって。
今更大キライだって言われても全然気にならない。
俺は鋼メンタルを手に入れたんだ。
「……いいよ」
「えっ!?」
まさかのアッサリOKに驚きで開いた口が塞がらない。
「え?」
「ほんとに……いいの?」
「う、うん」
少し顔を赤くして下を向く羽音。
「ほんとのほんとのほんとに!?」
「うんっ……いいよ」
「よし! じゃあ行こう!」
ありがとう、神様。
俺……今、世界で一番幸せな自信がある。
言葉にならない喜び。
羽音と……デート。
羽音の意思で行くって言ってくれた。



