――放課後。
いつものようにカバンを持って羽音に声をかける。
「羽音、帰ろっか」
「うん!」
教室を出て、下駄箱で靴を履き替えて外に出る。
昨日とは正反対の、すごくいい天気。
ポカポカしてて気持ちがいい。
「羽音、今日ちょっと散歩して帰らない?」
こんなにいい天気なのに、真っ直ぐ家に帰るなんてもったいない。
「え?」
「散歩デート。しよ?」
「デート……?」
家に帰るのがもったいないっていうのもあるけど、俺は1つ引っかかることがあった。
『羽音だってデートぐらいするでしょ?』
『えっと……う、うん』
松下さんと羽音の会話。
聞いてないフリをしてたけど、バッチリ聞いていた。
そういえば、俺と羽音ってデート……してないよなって。
中学の頃はたまにハンバーガーショップで一緒にテスト勉強したり、公園で遊んだり、してたのになぁ。



