HRが終わり、羽音の席には松下さんがやってくる。
「羽音! さっきは大丈夫だった?」
「あー……それがね……」
羽音が何か言いたげにコチラを見る。
「松下さん、さっきはありがとう。松下さんが図書室にいるってのを教えてくれてなかったら……」
羽音と俺の命の恩人、松下さんにお礼を告げる。
俺が羽音以外の女と普通に話すのなんて、何年ぶりだろうか。
松下さんは、唯一同じ中学から同じ高校に来たんだけど……まともに話したのは初めてだ。
「……えっ!? 一体なにがあったの?」
まさか、そんな大きい出来事があったなんて思っていたのか大きく目を見開く。
「初花、実はね……」
羽音がさっきの出来事を話す。
「……えぇ!? ほんとに?」
「うん、初花から忠告受けたそばから……」
「はぁ……だから羽音は気をつけてって言ったのに〜……ね? 黒澤」
「そうだよ、ほんと」
松下さんの言う通り、羽音は自分が可愛いということをもっと認識してほしい。
じゃないと、俺の心配事は増えるばかり。
ここまで言われても納得のいかない様子の羽音。
俺の不安がなくなることはなさそうだ。



