「あー……マジでムカつく。アイツ殴りたかった」
「だ、ダメだよそれだけは……黒澤くん、この学校にいられなくなっちゃうかもしれないじゃん」
「……だから、止めたの?」
「そうだよ! あんなの大騒ぎになったら……っ」
絶対に停学……いやそれどころか退学に違いない。
「羽音、俺が学校にいないとイヤなの?」
「……え」
そう言われたら確かになんで私……大キライな黒澤くんが学校からいなくなるとかどうでもいいはずなのに。
むしろ学校から消えてくれた方がいいはずなのに。
「そ、それは……」
「嬉しいな〜羽音が俺に学校にいてほしいなんて」
「そ、そんなこと一言も言ってな……」
「そういうことじゃないの?」
「……っ」
そうやって言われると返す言葉が見つからない。
私って黒澤くんのこと……大キライどころかキライじゃない……?
「それにしても、アイツに先越されるなんて……あーマジで悔しい」
「え?」
「俺ですらまだ、羽音のこと押し倒したことないのに……」
「なっ、なに言ってるの」
「俺はこんなにガマンして……」
が、ガマン?
黒澤くんが一人でブツブツとなにか言っている。
「黒澤くん、なにかガマンしてるの?」
自由奔放で私をずっと振り回して、ガマンなんてしてなさそうなのに。



